資料 >> GID特例法 >> 施行状況全国調査

 
現時点では却下された例がなく、結果に地域差は見受けられない。

申立て件数や認容件数は、比較的人口の多い都市部に集中しており、とくに東京と大阪で
  上記
件数の約半数を占めている。 これは他県との人口比よりも非常に多い数字であり、
  このことは
当事者が地方では生活しにくい現状をあらわしているものと思われる。

2004年7月16日より 「性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律」が施行され 約4ヶ月が過ぎました。
gid.jpでは、全国でどの程度の申立てが家裁に出され、許可が出ているか、また申立件数や、許可・却下の判断に地域格差はないかなどについて、本年10月から11月にかけて全国の家庭裁判所の御理解とご協力のもと調査を行ってまいりました。このほど集計がまとまりましたので、発表致します。 ※下図は、施行日7/16〜集計〆日までを、都道府県ごとに家裁本庁・支部・出張所の合計を集計したものです。


都道府県 集計〆日 申立て件数 認容(許可) 審理中 取下げ 却下数 管轄裁判所      
北海道 10月末日 2 1 1 0 0  札幌・函館・釧路家裁(道内合計)
青森県 10月末日 2 1 1 0 0  青森家裁
岩手県 10月末日 0 0 0 0 0  盛岡家裁
秋田県 10月末日 0 0 0 0 0  秋田家裁
宮城県 11月23日 1 0 1 0 0  仙台家裁
山形県 11月11日 0 0 0 0 0  山形家裁
福島県 10月末日 0 0 0 0 0  福島家裁
新潟県 10月末日 1 0 1 0 0  新潟家裁
富山県 10月27日 0 0 0 0 0  富山家裁
石川県 10月28日 0 0 0 0 0  金沢家裁
栃木県 10月末日 0 0 0 0 0  宇都宮家裁
群馬県 10月末日 1 1 0 0 0  前橋家裁
茨城県 10月末日 0 0 0 0 0  水戸家裁
埼玉県 10月末日 2 2 0 0 0  埼玉家裁
千葉県 10月末日 3 2 1 0 0  千葉家裁
東京都 10月末日 28 15 13 0 0  東京家裁
神奈川 10月末日 3 1 2 0 0  横浜家裁
山梨県 10月末日 0 0 0 0 0  甲府家裁
長野県 10月末日 1 0 1 0 0  長野家裁
静岡県 10月末日 4 3 1 0 0  静岡家裁
愛知県 10月20日 4 2 1 1 0  名古屋家裁
三重県 10月末日 0 0 0 0 0  津家裁
岐阜県 10月末日 0 0 0 0 0  岐阜家裁
奈良県 11月 1日 2 2 0 0 0  奈良家裁
和歌山 10月末日 0 0 0 0 0  和歌山家裁
滋賀県 11月15日 0 0 0 0 0  大津家裁
福井県 10月末日 1 0 1 0 0  福井家裁
京都府 10月末日 3 1 2 0 0  京都家裁
大阪府 10月末日 21 9 12 0 0  大阪家裁
兵庫県 10月12日 6 3 3 0 0  神戸家裁
鳥取県 11月11日 1 0 1 0 0  鳥取家裁
島根県 11月12日 0 0 0 0 0  島根家裁
岡山県 10月末日 2 0 2 0 0  岡山家裁
広島県 10月21日 5 3 2 0 0  広島家裁
山口県 10月末日 0 0 0 0 0  山口家裁
愛媛県 10月末日 0 0 0 0 0  松山家裁
香川県 10月21日 0 0 0 0 0  高松家裁
高知県 11月19日 0 0 0 0 0  高知家裁
徳島県 11月12日 1 1 0 0 0  徳島家裁
福岡県 10月末日 2 2 0 0 0  福岡家裁
佐賀県 11月15日 0 0 0 0 0  佐賀家裁
長崎県 10月末日 1 1 0 0 0  長崎家裁
大分県 10月末日 0 0 0 0 0  大分家裁
熊本県 10月末日 0 0 0 0 0  熊本家裁
宮崎県 10月末日 1 0 1 0 0  宮崎家裁
鹿児島 11月18日 1 1 0 0 0  鹿児島家裁
沖縄県 10月25日 1 1 0 0 0  那覇家裁
合  計 100 52 47 1 0  


※上記数字には、最高裁判所はじめ各裁判所の協力のもと、全国の家裁本庁・支部・出張所すべてが含まれております。
※特例法施行日の2004年7月16日から、上記表の「集計〆日(2004年10月末日前後)」までを都道府県別に集計しました。

 ( 2004/12/5 調査・集計: gid.jp 事務局長 藤崎はるか



「施行状況調査結果に関する公式見解」


性同一性障害者の性別の取扱いに関する特例の法律が本年7月16日に施行され、性同一性障害を有する者の性別更正
が実現するようになってきました。施行後4ヶ月を経過して、私たちが各地の家庭裁判所の協力を得て、独自に状況を調査
した結果、申立て
100件と、52件の認容が確認されました。これによって、52名の当事者が性別更正を終え、新しい性として
人生を踏み出して行かれたことになります。

画期的なのは、このうち却下された例が1件もないことです(取下げは1件)。このことは非常に喜ばしいことであり、私たち
当事者にとっては朗報となりました。本法律の成立に尽力くださった議員の皆様、法務省・厚生労働省をはじめとした行政
皆様、日本精神神経学会をはじめとする医師の皆様、法曹界の皆様、マスコミ関係の皆様他関係者各位に改めて厚く
御礼申し上げます。

しかし喜んでばかりはいられない状況があります。性同一性障害の当事者は、医療機関で診断を受けた方だけでも全国
に約3000人おり、この数は毎年増えています。実数は更に多いと推定されています。これに対して性別の更正ができた方
は52人と、未だ全体の1%台にとどまっています。
今後申立て件数が増えるとしても、まだまだ多くの当事者が性別更正の
適用外に残されることになってしまいます。特例法の要件を満たせない方、性別適合手術までは望まない方、治療途中の
方など多くの当事者にとっては、まだまだ苦しみが続くのです。
特例法の施行やマスコミ報道などによって「性同一性障害」という言葉はかなり浸透はいたしました。しかしなら、就労の際
や教育現場において発生する無理解や強制など、まだまだ性同一性障害に対する差別や偏見は数多く残されています。
また、性別更正ができたとしても、「性別を更正した」という事実は戸籍上残ってしまうため、これを原因として差別を引き起
こす可能性は充分にあります。

特例法には 「2名以上の医師の診断書」、 「20歳以上」、 「現に婚姻していない」、 「現に子がいない」、 「生殖腺の除去」、
外性器が他の性のものに近似している」 という要件があります。
このなかでも特に 「現に子がいないこと」 という要件は、子供のいる当事者にとって、非常に過酷で厳しい要件となって
います。子供がいるという事実は、今更どうにもできません。
この要件が付けられたのは「子の福祉のため」と説明されていますが、現に父親であった者が女に、母親であった者が男
に「既に変わってしまっている」という事実は変えることができません。逆に、今母親なのに戸籍が「男性」である、今 父親
なのに戸籍が「女性」であることが、親にとっても子供にとっても不利益となっているのです。そして、なにより親の性別変
更を求めているのは、その子供自体であることも多く、子供を健全に育てるためにこそ親の性別更正が必要なのです。
このように親が性別を更正することについては何ら問題がないだけでなく、親子共に一番福祉に叶うことなのです。
この「現に子がいないこと」という要件は、何をおいても最初に撤廃しなければなりません。

私たちは今後も特例法の「現に子がいないこと」要件の撤廃を含む要件の緩和や、性同一性障害を抱える者に対する
差別や偏見が無くなり、普通にくらせる社会が来るように活動を続けてまいります。今後とも、ご支援、ご協力を賜ります
ようお願い申し上げます。

        gid.jp (性同一性障害を抱える人々が、普通にくらせる社会をめざす会)
       代表(理事長) 山本 蘭
       理事一同


 
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