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<性同一性障害特例法による性別更正数の推移>


gid.jp (性同一性障害をかかえる人々が、普通にくらせる社会をめざす会)では、 最高裁判所に調査依頼を行い、「性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律」第3条第1項に基づく、戸籍の性別更正数の調査を行いました。
これにより、2008年末までに総数1263名の方が戸籍上の性別更正を行ったことが判明いたしましたので、お知らせ致します。

新受 既済 未済
総数 認容 却下 取下げ その他
2004年 130 101 97 0 4 0 29
2005年 243 241 229 4 8 0 31
2006年 257 263 247 4 11 1 25
2007年 284 281 268 5 8 0 28
2008年 440 429 422 2 5 0 39
合 計 1354 1315 1263 15 36 1 39

 ※ データは、司法統計による。
 ※ 法の施行が2004年7月16日のため、2004年のデータは、約半年分
 ※ 「その他」は、申立人の死亡や管轄違いによる移送などが考えられるとのこと。

本年は、性別更正数がかなり増えていますが、これには以下のような理由が考えられます。

  • 昨年は、性同一性障害特例法が成立してから5年目にあたり、特例法の施行を知って治療を開始した者が多くおり、その人達が手術を終える時期にあたった。
  • 性同一性障害という概念がかなり普及し、特例法によって性別更正ができることが周知されてきたこと。
  • これらによって社会の受入体制が徐々に進み、以前に比べ性別移行が行いやすくなったこと。
  • 医療側も以前のような手探りの状況ではなく、受入体制が整備され、治療が円滑にすすむように なったこと。

尚、昨年6月には、性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律第3条第1項3号の「現に子がいないこと」が「現に未成年の子がいないこと」に改正され、子どもをもつ当事者の一部に性別更正の道が開けました。
しかしながら、この改正で恩恵を受ける当事者の数は多くても50名程度と推定され、また改正の施行が昨年12月18日であるため、これによって性別更正ができた方は、当会が把握している限りでは本年1月20日に愛知で認められた方が最初で、この統計には含まれていないと思われます。

性別更正数は1000名を突破することにはなりましたが、これで充分というわけではありません。
性同一性障害の当事者は2007年度の日本精神神経学会の調査で7177名。その後の増加や医療機関を受診していない人を含めると1万人以上はいるといわれ、その1割に過ぎません。
医療側の体制が整備されたと言っても、性別更正に必須である性別適合手術が可能な医療機関は国内にわずかしかなく、この分野の先駈けであった埼玉医科大学も手術を中止したままであり、多くをタイなどの国外に依存しています。
また、ホルモン療法や手術には健康保険が適用されず、当事者に大きな負担を強いています。
更に、性同一性障害に関しては、この戸籍の性別更正以外には社会支援策は講じられていず、まだまだ多くの当事者が差別や偏見により苦しい状況におかれています。
このため、アルバイトや派遣などで就労している当事者は多いのですが、世界同時不況の昨今、派遣切など当事者の生活を直撃しています。
特に、改正されたとはいえ、未成年の子どもを持つ当事者にとっては、性別更正ができるようになるまでの年月は長く、それまで苦悩が続くことになります。

私たちは、医療機関の拡充や健康保険の適用、就労問題の解決、性同一性障害特例法の性別更正要件をさらに緩和するなどの取り組みを続け、より多くの当事者が幸せになれるよう、今後も活動を続けて参ります。

代表 山本 蘭




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