山本蘭代表を偲んで

”私たちは、特別なことを望んでいるのではありません。
一人の女性として、あるいは男性として、ただ普通に生きたいだけなのです”

 山本代表は多くの人に愛され、尊敬されました。自身も性同一性障害を抱える中、当事者やその周りの「共に生きる人々」が普通に暮らせる社会を目指して、支援団体「gid.jp」を立ち上げ、以来20年間にわたり「性同一性障害に関するアクティビスト」として、当事者や支援者の悩みや問題を共有し、解決に向けて惜しみなく尽力しました。その姿に勇気付けられ、生きる希望を見いだせた当事者、支援者は数知れません。

 皆様もご存じの通り、山本代表は偉大で責任感の強いリーダーでした。信念に真っ直ぐに生きる強さを纏いながらも、時折見せるチャーミングな一面、また誰に対しても平等で公正な態度を貫くなど、私たちはその姿に信頼と敬慕の念を抱くのです。それゆえに、彼女の逝去は私たちにとっても非常に大きな喪失となりました。

 現在もなお、深い悲しみを抱える中ではありますが、私たちは山本代表に共感し、彼女が築いた組織「gid.jp」を支えてくださった全ての方々にも感謝の気持ちを捧げたいと思います。そして、今後も山本代表の尊い功績を称え、性同一性障害当事者の権利と尊厳を守り、支援し、啓発していくために、気持ちを一つにして取り組んでまいります。

皆様の変わらぬご協力をいただけましたら、幸いでございます。

令和5年5月10日
gid.jp 日本性同一性障害・性別違和と
共に生きる人々の会
スタッフ一同